入国者収容所は、法務省が運営する日本の刑事制度の一部です。外国国籍の人を収容するための施設は17カ所あります。
出入国在留管理庁は、日本から強制退去させられるべきだと疑うに足る理由がある外国人を拘束します。この理由には、以下のようなものがあります。
- 不法入国やオーバーステイ
- 特定の犯罪を犯した場合
- 書類の偽造
- 不法就労
- 移住者の人身売買への関与
- テロ活動の疑いがある場合
しかし、長年にわたり、多くの庇護希望者も難民認定を申請する過程で拘束されてきています。拘束される理由は、通常、以下の通りです。
- ビザのオーバーステイ
- 不法就労
- 前回の仮放免資格の拒否または取り消し
2023年末には全国の入国者収容所で432人が収容されており、東京、茨城、名古屋、大阪、長崎に所在する主要な収容所だけで398人の被収容者がいました。
東京出入国在留管理局
品川の東京出入国在留管理局内にある収容所は、日本一の規模を誇ります。出入国在留管理局を訪れてもこの施設に気づくことは極めて難しいのですが、2023年末には、このセンターには221人が収容されていました。1階から7階までが管理局として、その上の階は収容所として機能しており、被収容者は過酷な環境の中で生活しています。今回の研究で被収容者から聞いたところ、施設は男性と女性の2つのセクションに分かれており、さらに各セクションは「ブロック」と呼ばれる小さな区画に分けられているとのことでした。各ブロック内にあるいくつかの部屋は共同で使用されており、時にはお風呂とトイレが1つしかない部屋に最大6人が住んでいたそうです。各ブロックには共有の居間があり、そこで被収容者同士が交流したり、勉強したり、ニュースを見たりすることができますが、ニュースはいつも日本語で、ほとんどの被収容者は理解できません。また、何人かの被収容者は、全員が同じスケジュールで行動することを求められていることも話してくれました。朝早く起こされ、点呼を受けてからやっと、朝食を食べることができるそうです。この点呼は、収容所内で被収容者が自殺を図ることもあるため人数確認をするためのもので、夜にも点呼があります。
被収容者との面会
被収容者との面会は長い手続きが必要です。面会可能なのは平日の午前9時から午後12時と午後1時から3時までで、土・日・祝日は閉館しています。出入国在留管理局の収容所に入る際、面会者は面会を希望する被収容者ごとに所定の用紙に記入しなければなりません。この用紙には、被収容者の氏名、性別、出身国などの情報と、面会者の氏名、年齢、性別、勤務先や在籍する学校、被収容者との関係、面会目的などの情報が必要です。また、面会者は在留カード、特別住民票、パスポートなどの身分を証明するものを提示しなければならず、学生証や運転免許証などの身分証明書は日本国籍の人に限られています。また、面会者が被収容者に物品・金銭を渡す場合はその旨も記入する必要があります。その後、1階で入国審査官のチェックを受け、7階で書類と物品・金銭のチェックを受けます。検査が終わると、ロッカーに荷物を預けるように言われ、ペンやノートなどの筆記用具しか持ち込むことができません。2〜3人が同時に入れる面会室に通されますが、被収容者が座らされるのは厚いガラスの壁で仕切られた部屋の反対側です。面会時間は最大で30分で、忙しい日はもっと短い時間を指定されることもあります。
被収容者と入国者収容所
多くの庇護希望者が、収容所での生活で精神的ストレスに直面していると嘆いており、収容がいつ終わるか分からないということが、またこのストレスに加担しています。収容所での生活の状態から、しばしば収容所を日本の「刑務所」と呼ぶこともあります。また、出身地や言語能力、在留資格などを理由に「他者」として日本社会から拒絶され孤独を感じていると、例えば「望まれないよそ者」といった表現を使い語ってくれました。さらに収容所では帰国を迫られ、「精神的な拷問」を受けていると感じることもあると言います。庇護希望者にとっては、帰国すれば死が待っているわけで、自由を得るために収容されても留まることを選択するのは非常につらいことです。精神的な苦痛の多くは、収容期間が長いことと最終的な解放をめぐる状況が不透明であることに起因しています。また、収容所内のほとんどの職員が英語を話さないため、被拘束者は自分の要求を伝えたり気持ちや意思を表現したりすることが難しくなっており、そういった収容所内の環境も彼らのストレスに拍車をかけています。
新型コロナウィルス
新型コロナウィルスが脅威となっている現在、収容所では面会者が減少しています。出入国在留管理庁は収容所内に入れる面会者を減らしましたが、被収容者たちは依然として互いに近い距離で生活しています。彼らはウィルスの拡散や予防に関する情報や知識をほとんど持っていません。主な情報源は面会者や、時には彼らにとって大部分が理解しがたい日本のニュースなのです。部屋には相変わらず同じように多くの人がいて、被収容者にとっては心配の種になっています。さらに職員や新しい被収容者の出入りも絶えず、状況への不安をエスカレートさせています。被収容者は医療保険にも加入しておらず、生活必需品は支援団体や面会者に頼っているため、万が一ウイルスに感染した場合の医療費も稼ぐことができないのです。