Refugee Voices Japanについて
私たちは上智大学のデビッド・スレイター教授の授業「デジタル・オーラル・ナラティブ」の生徒が中心となって行っている研究プロジェクトで、日本で暮らす難民の方々の生の声を広めることを目的としています。
昨今、ニュースや新聞などでより取り上げられるようになった「難民」という言葉の裏には、一人ひとりの人生があります。日本で暮らす難民の方々のそれぞれの物語に耳を傾けることで、難民とはどういった人たちなのか、なぜ自国を去る必要に迫られたのか、そして日本社会でどのように生活しているのか知ることができるのです。
私たちのウェブサイトで紹介しているのは、紛争や迫害などにより居場所を失った、さまざまな背景を持つ人々の挑戦、希望、そして夢の物語です。これらの物語が、難民の方々に対する理解がより深まり、彼らの日本での経験について学び、そしてどう支援できるか考える一歩となれば幸いです。
私たちの語り手

サナ
ガーナとブルキナファソで育ったサナは、社会活動への従事によりイスラム過激派組織による迫害を受けました。安全を求めて日本に逃れましたが、その後、強制送還の代わりに選ばざるを得なかった収容所では身体的・精神的な苦痛が待っていました。

ニョー
ニョーはミャンマーの独裁軍政のもとに育ち、1988年の民主化運動の暴虐的な弾圧をきっかけに、身の安全を求めて日本に来ました。日本での生活は長い間厳しい制限も多く苦労してきましたが、ニョーは日本で見つけた自由を噛み締めています。

パトリック
パトリックはカメルーンの英語圏に生まれ、アングロフォン(英語圏)危機として知られる内戦が続く中、命を狙われ、避難を余儀なくされました。日本で身の安全は確保したものの、今度は逮捕、収容、そして仮放免による困難に直面してきたのです。

クリストファー
クリストファーはカメルーンで労働者の権利のために闘う活動家でしたが、やがて政府による迫害を受け祖国を追われました。日本でのより良い生活を望んでいましたが、庇護を求めた数年と収容された8ヶ月間において様々な困難を経験してきました。

オジー
リベリアでの内戦と迫害からカナダに家族と逃れる道中に日本で拘束されたのは、オジーがわずか13歳のときでした。代わりに日本で庇護を求めましたが、難民認定の結果を待つ間、仮放免という状態下での制限された生活と不確かな未来に縛られています。

ジェームズ
カメルーンの少数派である英語圏出身のジェームズは、家族を残して日本に逃れるまで、若い頃から政府や軍による多くの差別や暴力を経験しました。あらゆる困難に直面してきましたが、乗り越えるのに不可欠だったのはキリスト教の信仰心でした。

サンデイ
1970年にウガンダに生まれたサンデイは、若い頃から熱心に取り組んだ民主化の政治活動のために迫害を受けました。生きるためにすべてを捨て、2007年に日本にたどり着いて以来、難民認定を求めて裁判や入国者収容所で闘ってきました。

ガブリエル
ガブリエルは、キリスト教を説いた著書がきっかけでイスラム過激派のボコ・ハラムから殺害予告を受け、ナイジェリアに戻ることができなくなり日本で庇護を求めました。しかし難民認定を目指した30年間、収容所内外での厳しい制限に直面しました。
以下の語り手の日本語版は現在準備中です。今しばらくお待ちください。
※リンク先は英語版です。
研究方法
毎学期、「デジタル・オーラル・ナラティブ」の授業を履修する学生たちが数ヶ月間に渡りこのプロジェクトに貢献し、TA(ティーチング・アシスタント)数名が授業とウェブサイトの編集の両面でサポートしています。学生は準備として文献を用いた理論の勉強から始め、選ばれた語り手の過去のインタビュー分析をし、学期の後半には自分らでインタビューを行い、このウェブサイトに公開するため語り手の物語を執筆します。
Sophia Refugee Support Group
Sophia Refugee Support Group (SRSG)とは、上智大学で学生が運営する難民および庇護希望者の支援グループです。研究プロジェクトRefugee Voices Japanに基づき2017年に設立されました。日本国内における庇護希望者の増加と限られた難民支援制度の中で苦しむ日本にいる難民たちを直接支援することを目的として活動しています。






